副業が軌道に乗ってきて、
「そろそろ独立して本格的にやろうかな?」
と思ったとき、
一番怖いのは
失敗して後戻りできなくなること
ではないでしょうか。
独立直後に資金が足りなくなったり、
顧客が集まらず赤字になったり、
確定申告で思わぬ税金が発生したり…。
実は、多くの起業家が
同じ落とし穴にハマって
苦労しています。
この記事では、
- 副業から起業した人が実際に経験した失敗例
- その落とし穴を避けるための具体的な回避法
を7つ紹介します。
「せっかく始めたのに続けられなかった…」
とならないために、
起業前に
ぜひチェックしておきましょう。
落とし穴①:生活費・運転資金の準備不足
よくある失敗例:
会社を辞めて独立したものの、数か月で貯金が尽き、
生活費も払えず再就職する羽目に…。
「もっと資金を準備しておけばよかった」と後悔する人は少なくありません。
失敗する原因
- 売上が安定するまでの時間を見積もれていない
- 固定費(家賃・光熱費・保険料など)を計算していない
- 「なんとかなるだろう」と勢いだけで独立してしまう
回避法:生活費+事業資金をしっかり確保
- 生活費は最低6か月分、理想は12か月分を確保
- 例:生活費が月20万円なら → 120〜240万円を用意
- 事業資金もあわせて計算
- 初期費用(設備・広告・登記費用)
- 月々のランニングコスト(仕入れ、家賃、通信費、外注費)
- 副業期間中に利益を積み上げ、できるだけ貯蓄しておく
- 必要なら創業融資や自治体の補助金を検討
ポイント
- 「半年〜1年は無収入でも暮らせる状態」が安心ライン
- 事業資金は初期費用+6か月分の運転資金を想定して計算
- 独立前に家計簿やキャッシュフロー表を作ると現実的に見積もれる
落とし穴②:集客や営業を軽視
よくある失敗例:
「いい商品やサービスを作ればお客さんは自然に来るはず」
と考えて、いざ独立してみたら全然売れない…。
「準備期間中に集客しておけばよかった」と後悔するケースが多発しています。
失敗する原因
- 商品やサービス作りに集中しすぎて、顧客獲得の仕組みを作っていない
- 営業やSNS発信が苦手で後回しにしてしまう
- 本業を辞めてから急に集客を始める → 時間切れで資金が尽きる
回避法:副業中から顧客との接点を作る
- SNS・ブログで情報発信を始める
- 価値ある情報を発信して見込み客を集める
- X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなど得意な媒体を選ぶ
- モニター募集やテスト販売をする
- 副業中に小さく実験して、フィードバックをもらう
- 顧客リスト(メール・LINE公式)を作る
- 独立前からフォロワーや見込み客をストックしておく
- 営業練習・プレゼン練習をしておく
- 価格説明や提案に慣れておくと独立後の受注率が上がる
ポイント
- 「作ってから売る」ではなく「売りながら作る」意識を持つ
- 副業期間は集客の仕組みづくりのゴールデンタイム
- SNS発信や顧客対応に慣れておくと、独立後に焦らず済む
落とし穴③:価格設定ミス
よくある失敗例:
「安くすればお客さんが増えるだろう」と思って値段を下げすぎ、
たくさん働いたのに手元にお金が残らない…。
逆に、相場を調べず高すぎる価格で設定し、全く売れないこともあります。
失敗する原因
- 原価や必要経費を計算せず、感覚で価格を決めてしまう
- 「安ければ売れる」と思い込んで、必要以上に値下げしてしまう
- 価格を伝えるのが怖くて、自信がないまま販売してしまう
回避法:原価+利益+市場相場で価格を決める
- 原価を計算する
- 材料費、外注費、広告費、自分の作業時間のコストを含める
- 利益を上乗せする
- 「月にいくら残したいか」から逆算して単価を設定
- 市場相場を調べる
- 同業他社の価格帯をチェック、競合より高いなら理由を明確に
- 適正価格を堂々と提示する
- 自分の商品やサービスの価値を言語化し、顧客に納得してもらう
価格設定の簡単計算例
- 月間売上目標:30万円
- 月の提供数:10件
- → 1件あたり最低3万円でないと赤字
- 経費を引いて手元に残る額も計算しておくと安心
ポイント
- 安売り=顧客のためではない。続けられなければ顧客にも迷惑
- 原価+利益を計算した上で「納得できる価格」を決める
- 価格交渉に備えて、自分の価値を説明する練習も大事
落とし穴④:確定申告や税金の知識不足
よくある失敗例:
「とりあえず稼いでから考えればいいや」と思っていたら、
確定申告の時期に膨大な作業と高額な税額にパニック…!
申告漏れで追徴課税や延滞税が発生してしまう人も。
失敗する原因
- 開業届を出していない(雑所得扱いになり控除が受けられない)
- 青色申告の特典を知らずに白色申告で損をしている
- 帳簿や領収書の管理がずさんで、経費計上ができない
- 消費税や住民税、国保など「翌年以降の税負担」を見積もっていない
回避法:早めに整える税務の仕組み
- 開業届を提出する
- 所得区分が事業所得になり、経費計上や控除がしやすくなる
- 青色申告承認申請を出す
- 最大65万円の青色申告特別控除が使える
- 会計ソフトを導入する
- freeeやマネーフォワードで自動記帳、確定申告がラクになる
- 税金の積立をする
- 売上の20〜30%を別口座に積立、翌年の税金に備える
- 税理士に相談する
- 節税のアドバイスや申告代行を依頼できる
ポイント
- 「開業届+青色申告+会計ソフト」の三点セットが基本
- 税金は翌年まとめて請求が来るので、毎月積み立ててキャッシュフローを守る
- 早めに税理士や商工会議所の無料相談を活用すると安心
落とし穴⑤:孤独・メンタルダウン
よくある失敗例:
会社を辞めて自由になったはずなのに、
相談できる相手がいなくて孤独感が増大。
売上の波に一喜一憂してメンタルが疲弊し、
モチベーションが続かず事業をやめてしまう人も少なくありません。
失敗する原因
- ひとりで抱え込み、悩みを吐き出せない
- 成果が出るまでの時間が長く、不安が募る
- 生活リズムが乱れ、心身ともに疲れが溜まる
- 「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込みすぎる
回避法:相談先とセルフケアを用意する
- コミュニティに参加する
- 商工会議所、創業スクール、異業種交流会
- オンライン起業コミュニティ(Slack、Discord、Facebookグループ)
- 相談できる専門家や仲間を持つ
- 税理士、中小企業診断士、先輩起業家
- 月1回でも話せる場があると気持ちが軽くなる
- セルフケア習慣を整える
- 睡眠・食事・運動のリズムをキープ
- ジャーナリング(日記)で不安を書き出す
- 週1回は仕事から完全に離れるオフ日を作る
ポイント
- 「一人で抱え込まない」仕組みを事前に作っておく
- コミュニティや相談先は早めに登録・参加しておくといざというとき助かる
- メンタルが安定してこそ、ビジネスを長く続けられる
落とし穴⑥:本業との両立ができずトラブル
よくある失敗例:
副業に熱中しすぎて本業のパフォーマンスが落ち、
上司から注意される。
さらに、就業規則で副業禁止だったことが発覚し、
会社とトラブルになってしまうケースもあります。
失敗する原因
- 就業規則を確認せずに副業を始める
- 本業の勤務時間中に副業の作業をしてしまう
- 睡眠不足や疲労で本業にも悪影響が出る
- 副業収入を確定申告せず、住民税通知で会社にバレる
回避法:本業と副業のバランスを守る
- 就業規則を必ず確認する
- 副業禁止なら会社に申請するか、許可が出る働き方を探す
- 時間管理を徹底する
- 副業の作業時間を朝や休日に固定
- 睡眠を削らない(1日6〜7時間は確保)
- 税金の申告方法を工夫する
- 住民税は「普通徴収」にして会社に通知が行かないようにする
- 本業をおろそかにしない
- 安定収入があるうちは、まず本業をきちんと続ける
ポイント
- 副業は「本業の信頼を失わない範囲」で行うのが鉄則
- バランスを崩して本業を失うと、資金面・精神面で一気に苦しくなる
- まずは体調と人間関係を守ることを最優先に
落とし穴⑦:法人化・契約のタイミングを誤る
よくある失敗例:
利益が大きくなってから慌てて法人化した結果、
すでに高い所得税がかかってしまい、節税のチャンスを逃した…。
取引先から「法人でないと契約できません」と言われ、
せっかくの案件を逃した人もいます。
失敗する原因
- 「まだ個人事業主でいいや」と先延ばしする
- 法人化の手続きや費用を知らずに準備不足
- 契約条件や入札要件に「法人必須」があることを見落としている
回避法:法人化の目安を知って早めに準備
- 利益500〜700万円が目安
- 累進課税で税率が33%・40%になる前に法人化すると節税効果が高い
- 契約条件を確認する
- BtoBの取引や大口案件は法人名義を求められる場合がある
- 事前に税理士や商工会議所でシミュレーション
- 法人化による節税額、社会保険料負担、設立費用を比較
- 自治体の創業支援を利用
- 登録免許税の軽減、融資枠拡大などを活用してコスト削減
ポイント
- 法人化は「タイミング次第で得にも損にもなる」
- 契約や融資、税金を総合的に見て判断するのがベスト
- 事業が成長してからでは遅いケースもあるため、利益が伸び始めた段階で検討開始
まとめ
副業から起業するのはワクワクする一方で、
準備不足や判断ミスで失敗してしまう人も多いのが現実です。
今回紹介した落とし穴7つをもう一度おさらいすると——
- 生活費・運転資金の準備不足
- 集客や営業を軽視
- 価格設定ミス
- 確定申告や税金の知識不足
- 孤独・メンタルダウン
- 本業との両立ができずトラブル
- 法人化・契約のタイミングを誤る
今日からできるアクション
- 生活費と事業資金を計算し、必要額を確認する
- SNSやブログで情報発信を始める
- 開業届&青色申告承認申請書を提出する
- 税金用の積立口座を作る
- 商工会議所や自治体の無料相談に予約を入れる
起業は一人で戦う必要はありません。
仲間や専門家、支援制度を活用して、
「続けられる仕組み」を作ることが成功への近道です。
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